作者『Y.A.A.I』さんのEA『Portfolio Algo Trading』を検証評価した結果をご紹介します。
総合評価採点→68点/(100点満点中)
■検証評価コメント:
『Portfolio Algo Trading』は、悪いEAではないと思うのですが、すごく良いEAと言えない部分もあります。
それはポートフォリオ全体で見ても同じです。
『Portfolio Algo Trading』は、10通貨ペアでポートフォリオを組んで運用することを前提に作られたEAですが、
まず単体で見てみますと、もう一歩欲しいなという印象です。
今回ドル円でテストしてみましたが、プロフィットファクタが1.72で最大ドローダウンが1.51%ということで、この数字のパフォーマンスはまずまず良いのですが、取引回数が少なすぎます。
1年間の平均で56回です。しかも、売買履歴を見ますと同じタイミングで2ポジション取っていますので、実質のエントリーポイントはその半分です。
さらには、通貨ペアによっては同じタイミングで10ポジションも取ることもあります。
もちろん、その実質エントリーポイントの少なさを補うためにも、複数通貨ペアでポートフォリオを組むという意図はよく分かるのですが、
問題はそこよりも、データの信ぴょう性として統計学的にサンプル数があまりに少ないということです。
作者さんご本人は、カーブフィッティング(過剰な最適化)に気を付けたとおっしゃっていますが、私から見ると、他者さんのEAに比べて『Portfolio Algo Trading』のほうがカーブフィッティングの心配があります。
そして、単体での資産推移グラフでも波の大きさを感じていましたが、作者さん提供のポートフォリオデータのグラフを見ても、波が大きいと感じました。
10通貨ペアも合算しているのに、これだけ大きいのはちょっと残念です。
その原因としては、通貨ペアの選定方法だと思います。
クロス円の通貨ペアが割合としてかなり多いですが、クロス円の通貨ペアは投機的な動きに連動しやすく、同じタイミングで同じ方向に動きやすいのです。
それが良い方に向けば良いですが、逆を行ったときには恐ろしいです。
通貨ペアの選定と、根本的なロジックにもう少し改良の余地があるのではないかと感じました。
と言いますのも、似たようなロジック・コンセプトのEAは結構ありまして、それらと比べると、パフォーマンスもリスク管理も少し見劣りするなと思います。
もちろん悪いEAではありませんので、資金と口座数に余裕のある方は使って良いと思いますが、そうではない初心者さんは無理して使うこともないのではないかと思います。
と言いますのも、『Portfolio Algo Trading』は別ファイルをMT4に追加したり、パラメータの設定がやや独特で複雑な印象だからです。デフォルトでは自動複利にもなっています。
■個別項目評価採点:
プロフィットファクタ:14点/(20点満点中)
最大ドローダウン:19点/(20点満点中)
1年間の取引数:5点/(20点満点中)
資産グラフがキレイな右肩上がり:15点/(20点満点中)
売りと買いのトレード数のバランス:8点/(10点満点中)
トレード手法の安全性:7点/(10点満点中)
それでは実際に、EA『Portfolio Algo Trading』の過去10年間以上のバックテストの結果を見ていきましょう。
下図のストラテジーテスターレポートをご覧ください。
・プロフィットファクタ:1.72(代表でUSD/JPY)
・最大ドローダウン:1.51%(代表でUSD/JPY、資金3000ドル約30万円、ロット0.01の場合)
・1年間の取引数:約56回(代表でUSD/JPY)
・使用通貨ペア:USD/JPY,CHF/JPY,EUR/JPY,AUD/JPY,CAD/JPY,EUR/CAD,EUR/USD,GBP/JPY,GBP/USD,USD/CHF
・使用時間足:1時間足
(↓以下は作者「Y.A.A.I」さんの説明です↓)
堅牢性を最重要視し、カーブフィティングに細心の注意を払っています。また、分散化によるドローダウンの低減にも拘りしました。製作者は重要イベント時には稼働をストップさせてリスク低減を図っています。
トレンドを捉えて押し目買いと戻りを仕掛けます。曜日と取引時間の限定、仕掛けと手仕舞いのロジック、独自に考案したフィルター、これらの相互作用によりエッジ(優位性)を確保しています。
マーチンゲール、ナンピン、グリッドなどの手法は使用しておりません。
ポジションはその日のNY時間前には全て閉じるので、週末リスクやマイナススワップの影響を受けません。
通貨ペアは上記10通貨を選定、パラメータは1通貨毎に5種類のパラメータを設定することで50チャートからなるポートフォリオを組んで分散化し、ドローダウンの減少を図っています。
更に、1チャート毎に2ポジションを取り、一つは目標値での利食い、もう一つはトレーリングストップによって利を伸ばす設計とし、ここでも分散化が図れる仕様となっています。
その他にいくつかのパラメーターを設定していますが、カーブフィッティング(過剰最適化)を避けるために、通貨毎にパラメーターを最適化せず、10通貨で共通としています。
50チャートの設定はパラメーター設定を含めてProfilesを作ってあるので、非常に簡単に設定ができます。
(↑以上が作者さんの説明です↑)
ということで、『Portfolio Algo Trading』は悪いEAではないと思うのですが、通貨ペア別で見てもポートフォリオ全体で見ても、もう一歩上のレベルが欲しいなという印象です。
資金と口座数に余裕のある方は使っていいですが、そうではない方は無理に使うことはおすすめいたしません。
あるいは、フォワードの経過を良く観察していただき、不調期回避戦略を使って運用するのもありだと思います。
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