作者『Grayzone』さんのEA『gz_System_day_multi』を検証評価した結果をご紹介します。
総合評価採点→65点/(100点満点中)
■検証評価コメント:
『gz_System_day_multi』は良いEAだと思いますが、作者さんの推奨そのままで回しっぱなしは、小資金の方には厳しいかもしれません。
『gz_System_day_multi』は作者さんの推奨として、以下の5つの通貨ペアをポートフォリオで使ってほしいとのことです。
(EUR/JPY,EUR/GBP,EUR/USD,GBP/JPY,GBP/USD)
ということで、同じ通貨ペアでバックテストしてみました。
その平均値としては、プロフィットファクタが1.29、最大ドローダウンが3.01%ということで、数字としては普通に使えるEAだと思います。
ただし個別の通貨ペアで見ますと、資産推移のグラフとしても数字のパフォーマンスとしても、使いづらそうな通貨ペアもありますので、ポートフォリオで5つ全てというよりは、選別して使ったほうがいいような気がします。
また、トレンドフォロー型EAということで、短期中期の波も若干大きめですので、小資金の方がもし使うのであれば、不調期回避戦略を使って運用していくと良いと思います。
■個別項目評価採点:
プロフィットファクタ:6点/(20点満点中)
最大ドローダウン:17点/(20点満点中)
1年間の取引数:11点/(20点満点中)
資産グラフがキレイな右肩上がり:16点/(20点満点中)
売りと買いのトレード数のバランス:8点/(10点満点中)
トレード手法の安全性:7点/(10点満点中)
それでは実際に、EA『gz_System_day_multi』の過去10年間以上のバックテストの結果を見ていきましょう。
下図のストラテジーテスターレポートをご覧ください。
・プロフィットファクタ:1.29
・最大ドローダウン:3.01%(資金3000ドル約30万円、ロット0.01の場合)
・勝率:58.84%
・1年間の取引数:約102回
・使用通貨ペア:EUR/JPY,EUR/GBP,EUR/USD,GBP/JPY,GBP/USD
・使用時間足:5分足
(↓以下は作者「Grayzone」さんの説明引用です↓)
長期運用を目的とし、ポートフォリオを組むことでより安定運用を目的としたEAです。
■gz_System_day_multi
取引通貨:EURJPY, GBPJPY, EURUSD, GBPUSD, EURGBP
取引スタイル:デイトレード
取引時間軸:5分足
■投資コンセプトおよび特徴
・対応通貨ペア5つはメジャー通貨であり、流動性が高く、想定外の動きになりにくい再現性の高い通貨であることから選定致しました。
・移動平均線を利用したトレンドフォロー型システムであり、買われすぎ売られすぎを判定し、エントリーを行います。
・決済にはトレーリングストップを利用し、トレンドに乗っている場合は、利益を最大化できるような仕組みも組み込んでいます。
・スワップや日本時間早朝のスプレッド、そして想定外の窓空き等のリスクを回避する、という形でデイトレードをコンセプトとしているため、必ずサーバ時間「23:00」には決済します。
ただし、ブローカーメンテナンスやその他理由でその時間に決済されず日を持ち越すケースもまれにあることをご了承ください。(12年のバックテスト結果で「23:00」が一番優位性が高かったため選択しています)
・最大ポジション数を1としているため、リスク管理がし易いです。(ナンピン、マーチンゲールなどのリスクの高い手法は使っていないということになります。)
・複数通貨ペアのポートフォリオを組むことにより、利益の最大化および最大ドローダウンの低下を行い、1年単位では必ずプラスになるようにしておりますが、お持ちの他EAとの兼ね合いにより、稼働させる通貨ペアの選定をお願い致します。
・短期で爆発的に利益を得るEAではなく、長期(1年単位など)での運用を目的としたシステムとなります。
■開発時のこだわり
・バックテストにTDS(Tick Data Suite)を使用しているため、通常のバックテスト(疑似ティックや固定スプレッド)に比べ、よりリアルの相場に近い環境でも優位性があることを確認しています。
・東日本大震災、ギリシャ危機、チャイナショックなどの大きなイベントも乗り越えられるよう、バックテストは2008年から10年以上のデータを元にしました。
・FXをギャンブルではなく、株などと同様に資産運用の一部としてご採用頂けるよう、長期で安定して利益を上げられるようなEA設計としています。
■パラメータの説明
1.MAGIC
→ MAGICナンバーです。
他の自動売買ソフトウェア(EA)と同時に使用する場合は、他のEAのMAGICと競合しないように設定を変更してください。なお、デフォルトは「0」としており、その値の場合は通貨ペア毎に次の値を「自動設定」します。(MT4にEA設定後、チャートに表示される値をご確認ください)
EURJPY:2020010201
GBPJPY:2020010202
EURUSD:2020010203
GBPUSD:2020010204
EURGBP:2020010205
2.Max_spread
→ 最大スプレッドのピップス数です。(設定値を超えた場合は取引致しません)
(デフォルト:3.0pips)
3.ストップロス
→ ストップ値のpips数を設定ください。
なお、デフォルト:0pipsとしており、その値の場合は通貨ペア毎に最適化された次の値を「自動設定」します。つまり、「0」と設定することを推奨します。
(MT4にEA設定後、チャートに表示される値をご確認ください)
EURJPY:110
GBPJPY:90
EURUSD:60
GBPUSD:50
EURGBP:130
4.テイクプロフィット
→ リミット値のpips数を設定ください。
なお、デフォルト:0pipsとしており、その値の場合は通貨ペア毎に最適化された次の値を「自動設定」します。つまり、「0」と設定することを推奨します。
(MT4にEA設定後、チャートに表示される値をご確認ください)
EURJPY:170
GBPJPY:200
EURUSD:160
GBPUSD:150
EURGBP:130
5.ロット数
→ 固定のロット数です。(デフォルト:0.1lot)
■開発方針
1.エントリー、決済の判断はローソク確定後に行う。ただし、当EAについては決済はトレーリングストップを採用しているため、ローソク確定後ではなく、ストップロスで決済されるケースも多々あり
2.バックテストに「TDS(Tick data suite)」を使用する
3.取引数において年間で最低50~100回はあること
4.バックテストの期間は最低10年はあること
5.過剰最適を避けること
詳細は以下リンクをご参照ください。(Sorry for Japanese only)
・ポートフォリオ(5通貨 or 4通貨)
・EURJPY
・GBPJPY
・EURUSD
・EURGBP
・GBPUSD
■皆様の大切な資金を守るためのお願い
・必ず「ニューヨーク時間(冬時間GMT+2、夏時間GMT+3)」のブローカーでご使用ください。
・FXでは「ニューヨーク時間(冬時間GMT+2、夏時間GMT+3)が基準であり、多くのブローカーが採用していること。そしてバックテストや今後のフォワードと同環境で稼働させることがEAの期待値を最大化します。
・長期運用(1年単位など)をお願い致します。
・相場は何が起こるかわかりません。短期的にみると勝つか負けるかは運次第となりますが、バックテスト結果の通り、長期的に右肩上がりとなっているので、非常にエッジのあるシステムであると考えております。
(↑以上が作者さんの説明です↑)
ということで、『gz_System_day_multi』は良いEAだと思いますが、どうしても使いたいと思えるレベルまではないのと
通貨ペアによっては使いづらそうなものもありますので、もし使うのであれば通貨ペアを選別して、特に小資金の方は不調期回避戦略を使って運用すると良いと思います。
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